今回取り上げるのはゲームボーイアドバンス『メイドインワリオ』。
1ゲーム5秒、200種類以上のプチゲームがたくさん入っている、と言ううたい文句ではあるが、
その実体は「タイミングよくボタンを押す・時々十字キー操作・ところにより連打の嵐」
基本的にはこれだけなのだ。
そんなのがはたして面白いのか?
面白いのである、これが。
カウンター席のワリオがグラスをキャッチ!
スケボー兄ちゃん華麗にジャンプ!決まると親指立てる!
卵を割ってフライパンの上に…あぁ!落ちねぇ!!
おて!(お手)…もとい、おせ!(押せ)
プチゲームに成功しても失敗しても、ボタンを押したときのエフェクトがバカバカしくも愉快。
緩急のつけ方も上手で、ギャラリーが見てても楽しめるものになっている。
(『ゼルダの伝説』や『エキサイトバイク』、『メトロイド』や『パンチアウト』などの”任天堂ネタ”が
容赦なく叩き込まれているのも特徴。ファミコン世代は絶対に笑い泣きモノだ)
それはまさに打てば響く鐘のよう。
また、ゲームのサウンドにもかなり気が使われている。
ステージによっては演歌やバラードの歌入りの音楽が流れるという、なかなかの気合の入り様。
プチゲームのBGMも、あたかもプチゲームの連続が一つの流れになるかのようなサウンド構成になっていて、
プレイのテンポを崩さず興冷めしない。
とにかくテンポが、ノリが良いゲームだ。
『メイドインワリオ』を初めてプレイした時、なんとなく昔好きだった
アーケードゲーム『ビシバシチャンプ』シリーズを思い出した。
ミニゲーム集ということもあり、かなり近いノリがあると思う。
やってることは基本的に「タイミングよくボタンを押す」だけで、ゲームとしてはごくシンプルで、
その近年まれに見るシンプルさが巷にウケた?ようだ。
しかし、例えシンプルシンプルといっても、それがグラフィックやサウンドと絶対に結びついていないわけではない。
コミカルに動くグラフィックや、思わずGBA本体をシェイクしたくなるようなサウンドが
「タイミングよくボタンを押す」行為に快感や意味合いを持たせているからこそ、このゲームが成り立っている。
ただ味気なくひたすら「タイミングよくボタンを押す」だけだとしたら、
それはもはやゲームと呼べる代物では無くなってしまうだろう。
『メイドインワリオ』は単純だ。だが、単調ではない。
操作とゲームルールのシンプルさにオブラートされ、
アニメーションやサウンドに支えられたゲーム展開のテンポの良さ、
それがこのゲームの面白さになっているのだ。
よくゲームの面白さを語る上で”シンプルさ”がもてはやされることが多いが、
決して「シンプル イコール 面白い」というわけではないはずだ。
こと『メイドインワリオ』をプレイしていると、それを強く感じる。
工夫に工夫を重ね、経験に下打ちされた上での”シンプルさ”なのだ。
果たして”シンプルさ”にゲームの神様は宿るのか?
私はその答えを知らない。
最後に、『メイドインワリオ』に対して「見た目クソゲっぽいけど、楽しい」という
私の友人の素直な言葉を添えておきたいと思う。