今回はナムコの『塊魂』を取り上げよう。
塊をごろごろ転がして、物を巻き込んで大きくなれ!というゲームだ。
まずゲームを開始すると、その昔流行ったTV番組『ウゴウゴルーガ』に似た強烈なシュールさと、
クリスタルキング(アニメ版『北斗の拳』でYouはShock!とシャウトする人)の歌う音楽によるオープニングムービーが炸裂。
まずここで口を開けて呆然とする人、多数。
ある意味このゲームの”ノリ”についてこられるかどうかを試すテストのようなものになっている。
「♪らら〜ららららら〜ら〜ら〜ら塊魂〜」と歌を歌ってしまうようになったら末期だ。
なお、クリスタルキング氏に限らずゲーム中のBGMはやたら豪華な顔ぶれが担当している。
ゲーム内容は、2本のスティックを駆使して塊を転がし、
とにかくモノを巻き込みまくるというシンプルな内容になっている。
ニューゲームでゲームを開始したときには王様がわざわざ用意してくれた練習ステージで
一通り操作を学べるようになっているので安心。
しかしわざわざってのを強調するあたり、本当のところ王様は
練習ステージを入れたくなかったんじゃないだろうか…
プレステ1のゲームあたりから盛んになった”プラクティス・モード”に対する風刺のような気がしてならない。
塊を転がすことになるステージは家の中や街中など、ごく身近な生活観溢れる場所が中心。
キャラメル、歯ブラシ、机、自動販売機などバラエティ豊かなモノを塊に巻き込み、
最終的にはビルやタンカー船なども巻き込んでいき、
数百mの高さに及ぶ質量が爆走するという凄まじい光景を目撃することになる。
先のオープニング含め、このゲームのビジュアルインパクトというのはとにかくモノ凄い。
そこら辺をうろつく猫や人などの生き物も厄介な存在で、
こちらの塊に気付くと近寄ってきてパーツをはじき飛ばしてしまう。
しかし、塊を大きくしていくと、今度は逆に逃げ出すようになり
憎いアンチクショウにも逆襲可能だ。
小さい時は大きく見えていたものが、大きくなった時には小さく見えるという
そのスケール観がよく出来ている。
実際のモノの大きさを意識してプレイすると、どのくらいの大きさがあれば
塊に巻き込めるようになるのか分かるようになり有利だ。
また、巻き込んだ物の種類によって出来上がる星の名前が変わる。
「ワショク」をたくさん巻き込んだら「オセチ星」になってしまったのに爆笑。
その他にも”星座を作る”ステージもあり、特定のモノをたくさん巻き込むことが条件になる場合もある。
(「かに座」をクリエイトするのに蟹を大量に巻き込んだり)
この『塊魂』、久々に理屈抜きで楽しんだゲームだったのだが、ふと気付いたことがあった。
このゲームのルールをまとめると、
・転がしてモノを集め、時間内に一定の大きさに出来ればOK
・自分より大きなモノにぶつかったりすると塊が小さくなってしまう
・塊が大きくなればより大きなモノも巻き込める
という風になる。
このルール、どこかで見たような…と思ったらそう、
ビデオゲーム黎明期の名作ドットイートゲーム『パックマン』のルールだったのだ。
『パックマン』のルールは、
・エサを全部集めればクリア
・ゴーストにぶつかるとアウト
・パワーエサでゴーストに逆襲可能
というのが大まかなルールだ。上に述べた『塊魂』のルールと比較してみると
かなり酷似していることが良く分かる。
また、そのシンプルなルール以外にも
・ポップさを強調したグラフィック
・面クリア時に挟まる微妙な中間デモ
・メーカーがナムコ
など、共通点は計り知れない。
『塊魂』は『パックマン』の正当な後継者と呼ぶにふさわしい。
『塊魂』の魂の中に、『パックマン』の魂を見つけた。
それはリバイバルブームの中にある”黄泉還り”ではなく、
新しい姿をもって魂を受け継ぐという、真のリメイク、
”輪廻転生”のタマシイのカタチを、見つけたような気がするのだ。